こんにちは小原です。前回の博物館からの続きです。越前大仏に会いに行こうと思います。
福井駅→勝山駅→福井県立恐竜博物館→越前大仏
勝山駅から直接コミュニティバスで20分、タクシー10分で行くことができるこの越前大仏ですが
「ある意味行ってみたらいいけどおススメはできない」
地元の方々が口を揃えて言う、そして多くを語らない、果たしてその真相とはいかに!?
恐竜には全く興味のない長谷自称プロデューサーでしたが、遺跡等の歴史的建造物系は興味があるようで、またミステリアスな情報も合わさり若干嬉しそうです。道中この辺りの方々のソウルフードと言われている8番らーめんもありました。
という事でレンタサイクルでやってきました。大師山清大寺。しかし、足を踏み入れるとすぐに妙な違和感が体を突き抜けます。少し恐怖に近い感覚です。
そう、皆さんが想像している観光地と全く違うのです。全く人の気配がないのです。まるで「新しいイベントの開発中に偶然我々が入ってしまえた」というバグが発生してしまった仮想現実の世界です。
このバグッた仮想現実の世界には500円で入ることができます。当初は大人3000円だったそうですが、そこから2500円→1000円→500円と値引きされていったという事のようです。
見るものを圧倒する巨大な「大門」
↓仁王像は中国で制作されたようです
そして「大門」をくぐって境内の中に入ります。
でかい!そしてこの似て非なる物感はなんなんでしょう。まるで日本好きが日本の建造物をオマージュして作ったような建物です。
「違う!これは和じゃない感じがする!」
「違和感」という言葉がしっくりきます。
しかしある意味、この無人パラレル空間を500円で独り占めできるというのは実に贅沢な感じがします。地元の方の言っていた「ある意味」とはこの事だったのでしょう。
そして、これでもかというほど人が全然いません。実はこのお寺、1987年 多田清さんが出身地である勝山市に感謝の気持ちを込めて380億円かけて建立されたテーマパーク お寺なので、歴史的な要素は一切なく、地元の方からも、訳あり物件的に見られている様子です。
こんなに面白いのに。
しかし多田清さん、個人でやるレベルの域を遥かに超えた驚愕の人物です。超人と言ってもよいと思います。そして中に入ると
日本で一番大きく、一番孤独な大仏がいます。
座っている大仏というのは、人々の救済方法を考えたり、悟りを開くための修行中ということ。
独生独死独去独来を身をもって感じ、修行しているのではないのでしょうか。
しかしデカい。圧倒されるデカさです。左右に二体づつ側近もいるのですがデカいです。そしてこの5体以外にも壁に人間サイズの仏像がビッチリ埋め込まれてます。こんだけいたら、もしかしたら人間がこなくても実は寂しくないのかもしれません。
彼ら全部が怒って動き出したら相当な戦闘力なのではないかと思われます。ビームとか出してきそうです。
何かを霊験あらたか的な物を感じている長谷自称プロデューサーですが。ここにはきっとその類の物はなにもありません。あるのは別の何かです。
さてここから五重塔に向かいますが、途中でよくわからない物があります。
中国の国宝第一号!「九竜壁」のレプリカ!…いる?これ。
ここ全体の妙なバグ感・違和感というのは、この中国テイストが微妙に混ざったところからおこってくるのだと、なんとなくわかりはじめました。まさにパラレル西遊記です。
さて五重塔ですが、これもでかい!鉄筋コンクリート造りとして最大の五重塔だそうです。
入り口には金色のUFOが着陸していました。ここもかなりのバグです。
そして、ひとっこ一人いない五重塔に登っていきますと・・
大量のカメムシ!!本格的バグです!このカメムシが、そこかしこににいて踏まれた後も沢山あります。またシーズンが違うとこのカメムシが大量の蛾に変わるそうです。ということは大量の毛虫シーズンが・・・戦慄を覚えます。そしてカメムシ軍団を乗り越えると
広大な景色を見ることができます。カメムシ軍団の恐怖に打ち勝ったものだけが見ることを許される勝利の景色です。
これが越前 大師山清大仮想現実寺の眺めです。
で、ここから城が見えるのですが、おわかりになるでしょうか。あとで向かってみます。
階段を降りる途中も、誰にも出会う事はありませんでした。五重塔を完全貸切です。
帰りに立ち寄ったお土産コーナー。無人の店内に数百円の器から15万円の壷まで放置されています。
では、究極の違和感、VR感、そして独生独死独去独来を学んだ所で、五重塔から見えた城に向かうことにしましょう。
城に向かう途中。なんて気持ちのいい道でしょう。
これも仮想現実なのでしょうか。現実を疑う世界観です
城が見えてきました。
早速、城に入ってみる前に城下でソフトクリームをいただきます。
ソフトクリームにご満悦の様子です。では早速城に向かいましょう。
完全に「ドラえもん のび太のパラレル西遊記」です。中国妖怪に支配されるパラレルワールドと化した日本がここにあります。大師山清大寺でも薄々感じてた恐さとは、征服され歪まされる日本文化を危惧した物だったのでしょうか。
ここは勝山城博物館といって、本当の城ではなくて先ほどの大師山清大寺と同じ、勝山出身の実業家、相互タクシーの創業者である多田清さんの手により建築され、自分のコレクションと自分の足跡アルバムを展示する、壮大なfacebookなのです。
撮影が禁止なので写真がありませんが、しかしこの多田清という人物、とんでもないビジネスマンです。体力・知力・漢気・先見性どれをとっても最強クラスの方です。この美術館のパラレル感、カメムシは置いといて、多田清さんの歴史と漢気を学ぶために、男として一度訪れるのはとても勉強になるのではないでしょうか。
こうしてそろそろ帰る時間になってきたので勝山駅に向かう事にします。
九頭竜川を越えて
勝山駅に帰ってきました。
壮大なパラレルワールドが存在するこの勝山駅。これほどまで日本一を堪能できるところが他にあるでしょうか。
福井駅に着き、最後にラーメンで締めようと思い地元の方に聞いたのですが
福井県民、ほとんどの人が8番ラーメン以外のラーメンに興味がない!
その中で唯一出てきた「いちろくらーめん」を食べて東京に戻ります。
ありがとう。福井県。
文:小原正至
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